院内勉強会を行いました


7月6日 ノバルティスファーマ株式会社様によるベオビュ硝子体内注射について
勉強会を行いました

ベオビュは中心窩脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)の適応があります

この度更に糖尿病黄斑浮腫(DME)の適応が追加されました

糖尿病黄斑浮腫(DME)とは網膜内に血液中の成分がもれだして黄斑がむくむ病気です
症状としては視力低下や変視症、コントラスト感度の低下などがあります

視覚障害の原因第3位である糖尿病網膜症が進行するほど発症率が高くなることや
糖尿病歴が長い方に多く発症することが分っています
また高血糖や高血圧、高コレステロールなども発症の原因となっています

   【出典:ベオビュによる治療を受ける患者様へ:糖尿病黄斑浮腫より】

 

ベオビュは原則として最初は6週ごとに1回硝子体内投与し連続5回続けます
それ以降は12週ごとに1回投与します

日常生活では食生活や定期的な運動、禁煙に気を付けることも大切です

糖尿病がある方は定期的に眼科を受診するようにしてください

 

事務M  

院内勉強会(アイラミド点眼について)


2020年6月10日千寿製薬による「アイラミド点眼」についての勉強会がありました。

緑内障や高眼圧症の治療剤で、6月16日~千寿製薬より発売されます。

緑内障は、視野欠損を伴う進行性の視神経障害を特徴とし、適切に治療しなければ失明に

至る場合もあります。

症状はとしては、見える範囲が狭くなっていき、ほとんどの人は自覚症状はありません。

緑内障には、開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障、原発緑内障、発達緑内障、続発緑内障に

分けられます。

開放隅角緑内障・・・眼の中の水(房水)が詰まり、眼圧が上昇する

閉塞隅角緑内障・・・出口が塞がれることにより、房水が塞がれ、眼圧が上昇する

原発緑内障・・・なんらかの原因で眼圧が上昇する

発達緑内障・・・生まれつき眼の中の水が未発達であることが原因とされる

続発緑内障・・・外傷、網膜剥離、眼の炎症などによって眼圧が上昇する

40歳以上の5%が緑内障を発症しており、常に失明原因の上位を占めています。

緑内障の治療としては視機能を維持させ、眼圧を下降させないことです。

主な治療方法としては点眼薬や眼圧検査、眼底検査、視野検査です。

 

 

この「アイラミド点眼」は、緑内障配合剤の中では初めてβブロッカーが入っていない点眼で、

ブリモ二ジンとブリンゾラミドを主成分としています。

房水の産生の抑制と房水の排出の促進2つの効果で眼圧を下げることができます。

βブロッカーが含まれていると生理機能が低下し、心不全や気管支喘息などが起こる

可能性があります。

2種類の点眼を合わせた合剤の点眼を使うことで点眼の種類を減らし

さし忘れを減らすことが出来るが、今までの合剤にはβブロッカーが含まれており

心不全や気管支疾患のある患者様には処方できませんでした。

今回発売されたアイラミド点眼はβブロッカーが含まれていないことで、

点眼の種類を減らしたいが心疾患のある高齢者の方に処方することができたり、

他の合剤と一緒に処方することで2つの点眼で4種類の点眼液の効果が期待できます。

一度失った視野は元に戻ることはないため、自覚症状の出る前に早期発見することが大切

です。

緑内障は中途失明の原因にもなっているので、何か眼に不調が感じられたらすぐに眼科を

受診していただきたいです。

 

受付スタッフY

 

 

 

 

 

 

白内障実習を行いました・12月


2019年12月18日㈬、HOYA株式会社さんにご協力頂き、白内障手術の実習を行いました。院長と先輩の指導を受けながら、今年入職した看護師Uさんが白内障実習に挑戦しました。

  

さまざまな手術器械に触れ、実際の白内障手術の流れを学び、難しさを体感しました。

 

続いて、これまでにも実習に参加している看護師Hさんも再チャレンジ!

 

このような研修の場を提供していただき、実習できることに感謝しつつ、
スタッフ一同「ONE TEAM」となり、これからもより良い医療に貢献できればと思っております。

看護師A 

 

院内勉強会(ドライアイについて)


2019年11月20日(水)、大塚製薬さんよりドライアイについての院内勉強会がありました。

※ドライアイとは?
涙の乾きなど涙の異常により、目の表面の健康が損なわれる疾患です。様々な要因により涙液層の安定性が低下し、目の表面に傷ができたり、眼不快感や視力低下を伴うこともあります。

※ドライアイの症状
目の乾燥感だけでなく、異物感・目の痛み・まぶしさ・目の疲れなど、多彩な慢性の目の不快感を生じます。

※涙の構造
涙は、油層、水層、ムチン層という成分から成り立っており、それぞれバランスを保つことで涙の安定性を保っております。ドライアイの患者さまは、この涙の状態が不安定になり、涙が蒸発しやすくなったり、眼表面に傷がつきやすくなります。

※目の表面の模式図

https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/dry-eye/functions-of-tears/ より

また、ドライアイの定義および診断基準の改訂(2016年) は下記の通りです。
――――――――――――――――――――――――
ドライアイの定義
ドライアイは、さまざまな要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり、
眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがある
ドライアイの診断基準
⑴.⑵の両者を有するものをドライアイとする
⑴.眼不快感、視機能異常などの自覚症状
⑵.涙液層破壊時間(BUT)が 5秒以下

ドライアイの定義と診断基準 2016より
――――――――――――――――――――――――

 

次に、ドライアイ治療剤の『ムコスタ点眼液UD2%』についての説明もありました。

ドライアイと診断された患者さまに効能がある、ムコスタ点眼液UD2%は、ムチンの分泌/再生促進作用に加えて粘膜を修復・保護作用のある治療薬です。

ムコスタはもともと胃炎・胃潰瘍の薬で、消化管粘膜を保護修復する作用を持っています。ムコスタには涙液量を増やす作用はありませんが、眼表面でも粘膜上皮の機能を改善することができるそうです。

ムコスタ点眼液UD2%は、通常、1回1滴、1日4回点眼を続けると、約2週間で効果が出てきます。点眼直後~数時間後で苦味が感じられ、白色の懸濁液のため一時的に目がかすむことがあります。また、防腐剤が入っていませんので、CL上からも点眼可能です。
ドライアイ治療は「粘膜の治療」が鍵であり、継続して点眼することが必要です。

ドライアイかな?と 目に違和感を感じたときは眼科医にご相談下さい。

看護師A

 

院内勉強会(アジマイシン点眼液について)


2019年8月28日(水)千寿製薬による『抗生剤点眼液について』の勉強会がありました。

今秋、千寿製薬より「アジマイシン®点眼液1%」が販売されることになりました。

「アジマイシン®点眼液1%」の特性として、日本の抗菌点眼薬のほとんどがニューキノロン系であるが、この点眼薬は日本で唯一のマクロライド系抗菌点眼薬であるということ。

 黒キャップで他の製剤と混同しにくいのが特徴とのこと

更には、添加剤としてポリカルボフィルが配合された製剤であり、ウサギでは結膜、角膜、眼瞼への移行性および滞留性が良好であることが認められたとのことです。

その為、点眼液の特徴として製剤症状は、微白色で濁りのある粘性の無菌水性点眼剤となっており、点眼時に眼刺激や眼そう痒症が起こることがあるとのことです。

適応症として、結膜炎、眼瞼炎、麦粒腫(めばちこ・ものもらい)、涙嚢炎となっています。

眼感染症をはじめとした患者様に対し、抗菌点眼薬の選択肢を充実させることで眼感染症治療の充実化に繋がって欲しいと感じました。

事務次長W

 

 

院内勉強会 ( オプティエイドML について)


2019年7月31日(水)、わかもと製薬による『オプティエイドML』について勉強会がありました。

オプティエイドML MACULAR は、機能性表示食品です。機能性関与成分ルテインのほかに、 ゼアキサンチン、 ビタミン C 、ビタミンE、亜鉛、 銅など、毎日の健康維持に大切な成分を配合した複合サプリメントです。

ルテインは、加齢により減少する網膜の黄斑色素量を維持し、コントラスト感度(色の濃淡を判別する視機能)を改善することが報告されています。

網膜の中で最も重要な部分は、ものを見る中心となる黄斑です。黄斑は視力にかかわりが深く、色を識別するする細胞のほとんどはこの部分にあります。
黄斑に異常が発生すると、視力低下をきたします。
黄斑の加齢に伴う変化によって起こる疾患で高齢者の失明原因のひとつは、加齢黄斑変性症です。

詳しい説明→ https://mizokami-ganka.jp/shinryo/ouhan/index.html

加齢黄斑変性症の原因として活性酸素による酸化ストレスが有力視されています。
酸化ストレスとは、活性酸素と抗酸化作用のバランスが崩れた状態です。
体内で産生される活性酸素は、病原体などを攻撃し細胞を守る反面、必要以上に発生すると酸化ストレスとなり組織障害の大きな原因となります。
活性酸素の産生を促進させる原因として、
「太陽光」「偏った食生活」「タバコ」「ストレス」などが注目されています。
また大気汚染やオゾン層の破壊、食生活の欧米化など、活性酸素の産生を促進させる原因がますます増えています。
まずは、普段の生活で、こうした原因をなるべく遠ざけるように工夫が必要です。

オプティエイドMLの主成分である、ルテイン/ゼアキサンチンは、抗酸化作用を持つカロテノイドの一種で、網膜に多く分布しています。ルテインは、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれ、ゼアキサンチンは、トウモロコシ、オレンジなどに多く含まれています。
目では、黄斑部に多く含まれる黄色い色素で、網膜に有害なブルーライトを吸収したり、
活性酸素を除去すること(抗酸化作用)で網膜の細胞を守っています。
ルテインやゼアキサンチンは、加齢や喫煙、紫外線を浴びることにより減少しますが体内で作ることができないため、食事からの摂取が必要になります。
しかし、食事だけで十分な量を毎日摂取するのは大変です
サプリメントで食事で足りない分を補って、いつまでも健康な目を保てるよう心がけるのも病気予防の一歩です。

当院受付にてサプリメントのサンプルをご用意させていただいておりますので、
ぜひご自由にお持ち帰りください。

受付スタッフS  

 

 

院内勉強会(目の老化とサプリメントについて)


2019年5月22日(水)参天製薬による『目の老化に着目したサンテウェルビジョンについて』勉強会がありました。

このサプリメントは目の老化に関与している酸化と糖化に着目しています。

酸化と糖化が進むと水晶体が混濁、硬化が起こり老眼や白内障が進行します。サンテウェルビジョンに含まれているヒシ果皮ポリフェノールとルテインは酸化と糖化を抑制することができます。

ヒシ果皮ポリフェノールは抗糖化物質であるガロタンニン類、エラジタンニン類などを含有したポリフェノールです。

ルテインとはほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれる抗酸化物質であるカロテノイドの一種です。

水晶体や網膜に多く存在し、目などの健康を維持しています。

サンテウェルビジョンに含まれている主な栄養素は、体内で生成できないため日々の食事を通じて継続的に摂取することが大切であるとのことでした。

受付スタッフY

 

院内勉強会【アダプチノール錠】


2019年1月30日(水)、バイエル薬品株式会社さんによる【アダプチノール錠】についての勉強会がありました。

アダプチノール錠は、暗順応改善薬で、網膜色素変性症における一時的な視野・暗順応の改善に、効能・効果があります。

網膜色素変性症とは‥‥】

網膜の視細胞層及び、色素上皮層が広範におかされる疾患。
その結果、夜盲と視野狭窄を自覚する。
徐々に進行し、老年に至って失明する例も多い。
症状は、夜盲・視野狭窄・視力低下があり、現時点では、治療法が確立されていないとのこと。

3000~4000人に1人の割合で発症。国内には約5万人、世界では150万人以上の患者がいると言われています。


        数十年かけて徐々に視野が狭くなっていく

アダプチノール錠の用法・用量】
通常成人1回5㎎、1日2~4回経口投与。
(年齢・症状により適宜増減する)

 

臨床効果として、網膜色素変性症の暗順応に対する効果は、最低刺激閾値の低下、暗順応時間の短縮、夜盲の改善が認められており、また、視野欠損がある場合は、視野の拡大、及び暗点の消失・縮小することが認められている。

暗順応や視野拡大に対する効果は、相関関係を示すものではないが、暗順応が改善された症例では、視野改善効果も認められる傾向があるそうです。

 

患者様の大切な眼を守るためにも、継続治療していただけるよう、寄り添った看護ケアが大切であると実感いたしました。

看護師 A

 

 

院内勉強会 [眼科疾患の基礎知識について]


 

1月23日に院内にて
眼科疾患基礎知識について勉強しました。

緑内障は中途失明の原因第1位で、40歳以上では
20人に1人が発症しています。

・症状

緑内障を発症した初期や中期頃は異常に気付かないことが多く、
異常に気付いた後期の頃には見える部分が狭くなり、
日常生活に支障をきたしてしまいます。

・原因

眼圧が高くなることにより、
視神経が圧迫されてしまうことが主な原因です。
また、加齢も原因の1つであると考えられます。

・治療

治療方法は薬物療法、レーザー治療、手術で、
基本的には薬物治療から開始します。
緑内障の進行具合や眼圧の高さに応じた点眼薬を使用して、
眼圧をコントロールします。

自覚症状がない緑内障では、点眼薬の使用を忘れてしまう人や、
通院をやめてしまう人も少なくありません。
緑内障を進行させないためには、
処方された薬を正しく使用することが大切です。
緑内障は早期発見、治療が大切な病気ですので、
40歳を過ぎたら発生率が高くなるので、
定期的に受診をしていただきたいです。
些細なことでもいいので、目の事について何か気になることがあれば
お気軽にスタッフにお声かけください。

受付Y.Y

 

院内勉強会【CRVOに対する抗VEGF治療】


2018年11月7日(水)、バイエル薬品株式会社さんによる【CRVOに対する抗VEGF治療】の勉強会がありました。

RVO(網膜静脈閉塞症)とは...

網膜動静脈交差部で網膜静脈の分枝が閉塞する網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)と、視神経内で網膜静脈が閉塞する網膜中心静脈閉塞症(CRVO)の二つに分類されます。
BRVOでは閉塞静脈よりも遠位側に、CRVOでは網膜の全域あるいは大部分に出血が広がります。なお、RVOでは、主に黄斑浮腫を合併した場合に視力低下が認められます。

網膜静脈閉塞症とは

 

RVOによる黄斑浮腫の発生について

閉塞した静脈の内圧は上昇し、血管壁から血液や滲出液が網膜内に貯留します。また、血流量が低下して網膜が虚血、低酸素状態に陥るとVEGFなどのサイトカインが過剰に産生されます。過剰なVEGFにより血管の透過性が亢進し浮腫が生じるとともに、新生血管が生じることがあります。

 

治療が遅れてしまうと...

虚血型CRVOでは前眼部(虹彩や隅角)に血管新生が生じ、進展すると血管新生緑内障に至る危険性があり、非常に予後が不良です。
RVOでは、出血や浮腫により視力低下や視野欠損、変視症などを自覚しますが、出血や浮腫が消失すると自覚症状は軽減します。しかし浮腫は繰り返し発生することが多く、長期間持続すると細胞の不可逆的な変化により症状が悪化し、視力など視機能の改善は期待できないことが多くなります。

「RVOの病態」の画像検索結果

治療法について

循環障害、黄斑浮腫、あるいは血管新生が治療対象となり、これらの改善あるいは予防により、視力の改善・安定化を目的に治療が行われます。
黄斑浮腫に対しては、無作為化比較対照試験により有効性が証明されているVEGF阻害薬の硝子体内投与が主流となっています。
RVOに伴う黄斑浮腫の主な原因はVEGFの過剰産生と考えられ、VEGFとVEGF受容体の結合を阻害するVEGF阻害薬により、黄斑浮腫と黄斑浮腫による視力低下の改善が期待できます。ただし、現在使用されているVEGF阻害剤はVEGFの産生は阻害しないので、VEGFが過剰に産生される限り、継続的な投与が必要と考えられます。
また、血管新生に対しては予防もしくは治療目的として、汎網膜光凝固もしくは周辺部光凝固などのレーザー治療が行われます。

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試験概要と結果について

CRVOに伴う黄斑浮腫の治療において、アイリーア(アフリベルセプト)およびルセンティス(ラニビズマブ)の投与回数を比較検討。

対象
CRVOに伴う黄斑浮腫を有する18歳超の未治療患者45例(期間:18ヵ月間)

結果
アイリーアの平均投与間隔は10.0週であり、ラニビズマブ群に比べて有意に長かった。
アイリーアの平均投与回数は10.9回であり、ラニビズマブ群に比べて有意に少なかった。
最高矯正視力文字数の変化量は有意な差は認められなかった。

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現在、網膜静脈閉塞症の他にも、加齢黄斑変性、糖尿病黄斑浮腫、近視性脈絡膜新生血管症などの病気に対しても効果があることがわかり、治療対象となる患者さまの数が増えてきています。
しかし、進行具合によっては複数回実施後にようやく効果が出てくる場合や、いったんは病気の進行が落ち着いて治療を中止できてもしばらくして再発される方もいます。
治療効果が出ていても、患者さまの視力や自覚症状は改善しにくいこともあります。
長期にわたって視力を維持するためにも、抗VEGF薬投与により病気をコントロールしながら、根気強く治療し、視機能の維持を目指すことが重要です。

大切な患者さまのために...
日常生活に支障が出ないように、また残存機能を有効に活かすために継続的な治療を前向きに一緒に考えていきたいとおもいます。
治療で悩んでいる方、不安な方はお気軽に声をかけてください。

看護師 M