院内勉強会【アダプチノール錠】


2019年1月30日(水)、バイエル薬品株式会社さんによる【アダプチノール錠】についての勉強会がありました。

アダプチノール錠は、暗順応改善薬で、網膜色素変性症における一時的な視野・暗順応の改善に、効能・効果があります。

網膜色素変性症とは‥‥】

網膜の視細胞層及び、色素上皮層が広範におかされる疾患。
その結果、夜盲と視野狭窄を自覚する。
徐々に進行し、老年に至って失明する例も多い。
症状は、夜盲・視野狭窄・視力低下があり、現時点では、治療法が確立されていないとのこと。

3000~4000人に1人の割合で発症。国内には約5万人、世界では150万人以上の患者がいると言われています。


        数十年かけて徐々に視野が狭くなっていく

アダプチノール錠の用法・用量】
通常成人1回5㎎、1日2~4回経口投与。
(年齢・症状により適宜増減する)

 

臨床効果として、網膜色素変性症の暗順応に対する効果は、最低刺激閾値の低下、暗順応時間の短縮、夜盲の改善が認められており、また、視野欠損がある場合は、視野の拡大、及び暗点の消失・縮小することが認められている。

暗順応や視野拡大に対する効果は、相関関係を示すものではないが、暗順応が改善された症例では、視野改善効果も認められる傾向があるそうです。

 

患者様の大切な眼を守るためにも、継続治療していただけるよう、寄り添った看護ケアが大切であると実感いたしました。

看護師 A

 

 

院内勉強会【糖尿病のトピックス】


平成29年3月15日(水)
院内において
【糖尿病のトピックス】という演題で勉強会を開催致しました。

29.03.15勉強会

淡路島は美味しい食べ物が多いうえに
田舎特有の車社会で
日常的に運動不足に陥りやすく
糖尿病になるリスクが高くなりがちです.

糖尿病は初期症状がほとんどないため
当院に来院される患者様のなかにも
かなり症状が悪化してから初めて眼科に来られる方を
しばしば見受けます。

血糖値のコントロールや
食事の摂り方の注意事項など
今回の勉強会で得た知識を生かし
糖尿病の治療で頑張っておられる患者さまの気持ちに寄り添って
一緒に視機能を保つお手伝いが出来ればと思いました。

最後に雑記になりますが
勉強会での内容を記載させていただきます

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糖毒性
糖毒性とは、血糖値が高いこと自体がインスリンの分泌を低下させたり
インスリンの働きが悪くなるインスリン抵抗性を起こすことを指し
高血糖をそのままにしておくと更に糖尿病が悪化していく
運動療法はカロリー消費だけでなく
このインスリン抵抗性を改善する効果もある

厚生労働省の「2012年国民健康・栄養調査結果」の推計によると
糖尿病人口は予備軍を含め2050万人

糖が尿に出なくても糖尿病のことがあり
血糖値が高くなって初めて糖尿病と診断される
初期は自覚症状がほぼないので
早期発見のために健診を定期的に受けるなど注意が必要

糖尿病の種類
DMの種類

Ⅰ.1型 インスリンを作るところが元々壊れている
Ⅱ.2型 インスリンが出にくい、効きにくい
Ⅲ.遺伝・疾患要因
Ⅳ.妊娠による誘発

治療法
インスリンが出にくい→薬で補える
インスリンが効きにくい→感受性の低下→運動+薬で補える
薬の種類も今は多岐に渡り
低血糖がおこりにくい薬や
血液中の糖をおしっことして出す薬(腎臓での再吸収を阻害する)が
使われるようになった

糖尿病の3大合併症
糖尿病網膜症、腎症、末梢神経障害
また感染症がおこりやすくなる(虫歯、歯周病、術後の感染症など)

糖尿病発症後5年で神経障害
7年で網膜症
10年で腎症
20から30年で末期感染症を発症するといわれており
脳梗塞や心筋梗塞にも注意が必要

HbA1C
血液中に流れるヘモグロビンにブドウ糖がくっついたもの
1~2か月が寿命
血中の糖が多いとHbA1Cが増える
目標として
正常値  6.0
合併症予防 7.0
治療強化が困難な際の目標 8.0
HbA1Cを1%下げると血管障害リスクを37%下げることができる
体温に置き換えてイメージしてみるとわかりやすい
(体温プラス30)
7.5→37.5→薬が必要
9.2→39.2→注射が必要
HbA1C6.9以下に下げておくと
進行がゆるやかになる
7.0を超えると合併症が増えてくる
(熊本スタディーより)
熊本宣言2013

1日の血糖値の変動は少ない方がいい

食事の順番で血糖値の上昇の仕方が変わる
サラダ→ごはん→上がりにくい
ごはん→サラダ→上がりやすい
たくさん噛んだほうがいい
1回食べたら箸をおいてみるとよい

食後高血糖
食後  140未満⇒200を超えると糖尿病
空腹時は100を超えないように
脳梗塞、心筋梗塞のリスクが高くなるのは
空腹時高血糖より食後高血糖
治療中は特に食後高血糖に気を付ける
食後2時間の血糖値の高さは
総死亡率と強い関連性がある

高齢者糖尿病患者のコントロール目標
・認知機能が正常かどうか
・ADLが低下していないかどうか
気を付けておく
認知レベルが低い人にあまり厳格なコントロールを強いると
低血糖を起こす可能性があるので
あまり厳格にコントロールしない

受付 A.N

院内勉強会(緑内障の眼圧変動要因と点眼液の効果について)


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平成28年2月24日 院内において
緑内障の眼圧変動要因と点眼液の効果について
勉強会を開催致しました。

今回の緑内障の勉強会で
特に興味深かったのは
以下の内容でした

①眼圧の変動が大きいと視野障害に影響がある
→緑内障の方はそうでない人に比べて
日内変動の幅が大きく
視野障害のリスクは5倍になる

②患者側の眼圧変動要因
1.点眼薬がしっかり入っていない
→8割の方がうまくさせていないというデータがあり
視野狭窄や手の震えなどでうまく点眼出来ていなかったりする場合もある。
点眼方法に気をつけただけで眼圧が安定するケースもあるので
上手くさせていない場合には、ご家族のサポートも必要。

2.毎日点眼するのを忘れる
→忙しくてついうっかり点眼し忘れたりすると
眼圧の変動が大きくなるので
点眼が生活習慣になっているかチェックが必要。
(食事の後や入浴前、就寝前など
日常で必ず行う動作と連動させると
忘れづらいかも・・・)

3.多剤処方の場合
→例えば1日2回の点眼液プラス
追加で1日1回の点眼液が処方されたとき
間隔調整がうまくいかなかったりすると
点眼があまり効いていない時間が生じる

③医薬品による眼圧変動要因
眼圧は日内変動だけでなく季節変動もあり
(一般的に冬が眼圧が上がりやすい)
点眼液の追加処方をしないといけない場合もある。
ただ追加してしまうと点眼回数が増え
患者様の負担も増えるため
1日2回点眼する成分と1日1回点眼する成分の
合剤の点眼液も数多く開発されている。
また出来るだけ医薬品による日内変動が少なくなるよう
合剤の点眼液も次々新しく改良されている。

この勉強会の後
さっそく午後来院された患者様に
点眼回数が守れているか伺い
食事とか入浴とか
普段必ずすることをしたときに目薬をさす、と
決めておくと忘れづらいですよ、と
アドバイスをさせていただきました。

今後も点眼の効果を最大限に生かせるよう
今回の勉強会内容をもとに
患者様にアドバイスができるようにしたいと思います。

受付 A.N